「がんばりすぎたな」と気づいた日
数年前のことになりますが、私はあるプロジェクトのリーダーを任されていました。
朝から晩まで、プロジェクトのことが頭から離れず、家では子育てや家事もしながら、夜遅くまで働く日々。
多様なメンバーと向き合いながら、人間関係に悩んだり、
上司とメンバーの間で板挟みになる中間管理職としてのプレッシャーも重なり……
そんな生活が1年以上続いたある日、体にじんましんが出るようになりました。
体のサインで気づかされた「無理しすぎていた自分」
病院で診てもらったところ、医師から「精神的な原因かもしれませんね」と言われたとき、
ようやく気づきました。
「私、がんばりすぎてたのかもしれない」
「本当は、こんなに無理してたんだな」と。
プロジェクトを回すこと、周りの期待に応えること、
“ちゃんとした自分”でいようとするあまり、いつの間にか義務感だけで動いていた自分がいました。
「やりたいことって、なんだっけ?」
そこでやっとふと立ち止まり、改めて考えはじめました。
「私がやりたいことって、そもそも何だったっけ?」
じぶんのやりたいこと、ただ考えてみても、単純にすんなりとは出てこなくて、
じぶんのことなのに、結構難しいんですよね。
そこで、本やフレームワークなどにヒントやきっかけを求めました。
実際色々試してみた中で、私がそのとき特に参考にしたのが、以下の2つです。
- 本:八木仁平さんの著書『やりたいことの見つけ方』
- フレームワーク:Can・Will・Must
『やりたいことの見つけ方』のワークで自分の価値観を知る
著者の『「自分を変える努力」から「自分を活かす努力」へ』という言葉は
私が一番印象に残った言葉です。
同じ努力をするなら、自分が無理してやっていることより、
自分が好きなこと、得意なことにした方が爆発的に効果を発揮するし、充実感もある。
そういった自分を活かすことを実現するための最初のステップである自分を理解することについて、
非常に明快に具体的方法を示してくれている本です。
この本を読んで、じぶんの価値観を目に見える形で書き出して認識することができました。
じぶんでも「じぶんの価値観ってこうだったのか」と初めて知ったと思います。
じぶんの価値観が明確になると、それを実現するためには何をしていけばいいか、
次の一歩を踏み出す具体的な方法の検討ができるようになりました。
私が実践した例などもっと詳しくは以下の記事に記載しているので、ご興味あれば見ていただければと思います。

Can・Will・Must フレームワークで今後どうしたいか考えた
もうひとつ特に参考にしたのがCan・Will・Mustフレームワークです。
Will Can Must は自己分析に活用するフレームワークで、キャリアを考える際に使われることが多いです。
以下3つをそれぞれ書き出して、改めて自分で眺めてみることでの気づきを得たり、
これらの掛け合わせで今後のキャリアについて考えていくという使い方をします。
- Will :やりたいこと
- Can :できること
- Must :すべきこと
下の絵のようにベン図で概念を表されることが多いです。
最終的にはWillとCanとMustが重なっているところを目指していくと良いのではというものです。

フレームワークの詳細や私の実践例は以下の記事に記載しているので、ぜひご参照ください。

過去の仕事やプライベートを年表にして振り返ってみたりしながら、このフレームワークで自己分析をし、
そうして浮かび上がってきたのが、「私はこれからこのように生きていきたい」という輪郭のある答えでした。
仕事を変えるという決断。そして今
やりたいことがはっきりしてからは、上司に相談し、引継ぎもしっかりと進め、仕事を変えました。
仕事を変えたとさらっと書きましたが、
いままで義務感で、無理していたことにも気づかず動いていたような、
そんな私がそれをすんなりできる人間だったわけはなく。
「私が抜けると周りに迷惑がかかる」という考えが一番先に来て、動けない。
今までの私はそんな人間でした。
実際、仕事を変えるために最初に動くのはすごく勇気が要りました。
でも、上述のようにじぶんの価値観が明確になったことで、
「これからの人生、じぶんの価値観に沿って生きるんだ」という意志を持ち、
迷いがなくなったことがこれを実行できた理由だと思います。
仕事を変えてから、1年経たないくらいで、
あれほど悩まされたじんましんは、いつの間にかすっかり消えました。
もちろん、仕事を変えた今でも仕事は大変です。
でも、やっているのは“じぶんのやりたいこと”。
つらくても、「その先に、なりたい自分がいる」と思えるから、すぐモチベーション復帰します。
朝がくるのが、楽しみになる
最近は、朝がくるのが楽しみなんです。
じぶんが好きで成長したいことに携わっている、昨日よりちょっとでも前に進めたと思えると、それだけで嬉しい。
毎日がんばっている人ほど、「もっとがんばらなきゃ」「ちゃんとできてない」と思い詰めて、
自分を大切にできなくなってしまうのかもしれません。
でも、ちょっとだけ時間を作って、自分と対話してみることって、本当に大事だと思います。
もちろん、仕事を変えることがすべての解決になるわけではありません。
大切なのは、「今の自分、ちょっと無理してないかな?」「このモヤモヤなにかな?」と立ち止まってみること。
自分の本音と対話できたら、今の何が原因なのか、何を変えれば良いのかが見えてきます。
それが、私のように仕事を変えるという大き目の手段になる場合もあるかもしれませんが、
今の状態に少しだけ工夫をすることで解決することもあるかもしれませんし、
もしかしたら、自分の本当の声を把握して自分で認めてあげるだけで解決することもあるかもしれません。
大切なのはどんな手段になるのかじゃなくて、
今の自分と状況を改めて把握して、「自分が納得できる姿、状態ってどんなだっけ?」に気づくこと。
それがモヤモヤを解消することにつながっていくはずです。
じぶんに問いかけてみよう
過去の私と同じように、日々一生懸命頑張っているんだけど、なんかモヤモヤするんだよなという方、
意外と多いのではないでしょうか。
- あなたは今、何のためにがんばっていますか?
- 「これ、やりたかったことだっけ?」と思う瞬間はありますか?
日々の問いの習慣をサポートするオリジナルツールのご紹介
日々じぶんに問いかける習慣は、ほんとうのじぶんを発見できる気づきの多いものです。
当サイトではじぶんと向き合うヒントとなる「問い」と出会うアプリ、「問いのハコ」を提供しています。
このサイト内ですぐに無料で使えますので、ぜひ毎日の習慣のおともに使ってみてください。
私自身がこういうのあったら良いなをカタチにしているものです。じぶんでも使ってます。
今後も、じぶんと向き合う時間をサポートできるツールを少しずつ増やしていく予定です。
気になった方は、ぜひ使ってみてください。
あなたの日々に、少しでも寄り添えたらうれしいです。